本龍寺の歴史
建立420年、金石(かないわ)とともに。
本龍寺は、本願寺第五世綽如上人の曾孫で、越中井波の瑞泉寺第四世蓮欽が、梅原村(現南砺市梅原)に坊を構えたことが始まりです。梅原の地は、綽如上人が瑞泉寺を第二世宣祐へ譲られた後、草庵を結ばれた土地です。蓮欽の頃にはすでに失われていましたが、縁深きその土地に坊を再建したのでした。後に、蓮欽は瑞泉寺を長男賢心へ、梅原坊(本龍寺)をその弟賢勝へ譲り、瑞泉寺と本龍寺に分かれました。
その後、第四世賢恵の時に、本願寺第十一世顕如上人より本龍寺の寺号を賜り、慶長七年(1602)に現在地・金石(旧宮腰)へと移りました。当時の金石にも真宗寺院はありましたが、民衆の懇願をうけ、宮腰惣道場を経て、本龍寺建立に至りました。
現在の本堂は、寛政十年(1798)長浜大通寺より入寺された第十一世乗恵の時に再建されたもので、平成二十九年に山門・土塀・鐘楼堂と共に、金沢市指定文化財となっています。
※当寺に伝わる宮腰惣道場の本尊の裏書(本願寺第十世証如上人)は、県内最古の惣道場に関する記述といわれています。